やはりビートルズ

9月9日のビートルズ・リマスター盤のリリースを目前にして、
音楽業界はまさにビートルズ一色といった様相を呈しています。
今まで持ってなかったから、これを機会に買ってみようという方。
今まで持ってたCDを手放して、リマスター盤に買い換えようという方。
いやいや、今持ってるCDは二度と手に入らなくなるから、
しっかり持っとくぞ!という方。
皆さん、それぞれかも知れませんね。
いずれにしても、ビートルズが現役として人気を集めていたのは、
63年(日米では64年)〜70年という短い期間ですし、
公式レコーディング曲は213曲しかない訳ですから。
(正式デビュー前、解散後の発掘曲、ライブ音源等は除く)


ビートルズ・ナンバーの人気投票といった企画も、
至る所で見受けられますが、その際に特徴的なのは、
 *「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」の圧倒的人気。
 *「イン・マイ・ライフ」「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」
  「アクロス・ザ・ユニバース」等、
  本来ヒット曲ではない作品の人気の高さ。
 *初期大ヒット曲や日本独自ヒットの意外な不人気。
といった点でしょうか。
やはり歌詞やサウンド作り等、より深い面が重要視されている、
すなわちそれだけロックというものが円熟して来たという事でしょうかね。


僕が初めて聴いたビートルズ・ナンバーは、おそらく「イエロー・サブマリン」です。
但しビートルズの曲としてではなく、当時放送されていたテレビ番組
「ザ・ヒット・パレード」の中で、司会者でもある尾藤イサオさんが
自ら歌っていたものでした。
そして間もなくラジオを聴くようになり、
最初にビートルズの曲と判って聴いたのは、なんと「バッド・ボーイ」でした。
当時発売されたベストアルバム「オールディーズ」に、
唯一その時点での未発表曲として収録されたものでした。(本国では既に紹介済)
シングルカットはされませんでしたが、4曲入りのコンパクト盤が発売されたためか、
ラジオでもリクエストを集め、RKB「ゴールデン・ヒット・パレード」で
2位まで上がる健闘ぶりでした。
その次の曲「ペニー・レイン」は文句なしの大ヒットとなり、
「バラ・バラ」や「ダンス天国」と激しいトップ争いを演じたので、
鮮明に記憶に残っています。


初めて手に入れたビートルズのレコードは、
当時の人気番組「オール・ジャパン・ポップ20」で当たった(!)
「レディ・マドンナ」のシングル盤でした。
その次は演奏時間の長さに惹かれて買った「ヘイ・ジュード」。
その後は「アンド・アイ・ラヴ・ハー」「恋におちたら」目当てのコンパクト盤。
かなりお気に入りの曲だった(でも短い!)「オール・マイ・ラヴィング」等です。
比較的ビートルズのレコードの買い方は遅かったほうで、
「ヘルプ」はカーペンターズ
「涙の乗車券」はフィフス・ディメンション
「イエスタディ」はブラザース・フォーのレコードを、
ビートルズよりも先に買ってしまったという始末です。
それでも高校3年の時には、例の赤・青の各々2枚組のベスト盤が出ましたので、
意を決して買いました!(2枚組2セットは、当時相当キツかったですけど・・・)
まあこの赤・青からビートルズに入ったという方は多いと思いますが、
まずまず妥当な選曲ではあるものの、選曲者がジョージ・ハリスンであるため、
特に後期の選曲は若干ジョージ寄りになっているのと、
カバー曲が全てカットされてしまっています。
特に当時日本で人気を集めたビートルズ・ナンバーで、
赤・青ベストから洩れた曲がかなり有ります。
参考までに「9500万人のポピュラー・リクエス
      〜オール・ジャパン・ポップ20」の資料を例にとって、
日本でNo.1を獲得したビートルズの曲をご紹介しておきましょう。


1964年 プリーズ・プリーズ・ミー(1週)
      プリーズ・ミスター・ポストマン(5週)
      恋する二人(8週)
      スロー・ダウン(1週)
1965年 アイ・フィール・ファイン(3週)
      ロック・アンド・ロール・ミュージック(10週)
      ミスター・ムーンライト(3週)
      涙の乗車券(4週)
      ヘルプ(8週)
      イエスタディ(4週)
1966年 恋を抱きしめよう(5週)
      ミッシェル(6週)
      ガール(4週)
      ペイパーバック・ライター(6週)
      イエロー・サブマリン(4週)
      エリナー・リグビー(3週)
      タックスマン(1週)
1967年 ペニー・レイン(1週)
      愛こそはすべて(9週)
1968年 ハロー・グッドバイ(5週)
      マジカル・ミステリー・ツァー(2週)
      レディ・マドンナ(3週)
      ヘイ・ジュード(10週)
1969年 オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ(6週)
      ゲット・バック(3週)
      ジョンとヨーコのバラード(4週)
1970年 レット・イット・ビー(4週)

1996年 フリー・アズ・ア・バード(2週)


特に初期の頃は意外に感じる曲が多いのではないでしょうか?
番組によって多少の差はありますが、
「プリーズ・ミスター・ポストマン」「恋する二人」
「ロック・アンド・ロール・ミュージック」
あたりの強さが際立っています。
因みにこれら3曲とも、赤・青ベストには入っていません。


初期においては、日本ではカバー曲の人気が高く、
それらの多くはジョンのリード・ヴォーカルによるものでした。
それが後期になるとポールにより人気が集まるようになり、
「ホエン・アイム・シックスティー・フォー」
「バック・イン・ザ・U.S.S.R.」「オー・ダーリン」等、
シングル発売なしでもリクエストを集め、
日本のヒット・パレード番組の上位に食い込みました。


ビートルズが影響を受けたアーティストとして特に有名なのは、
チャック・ベリー、リトル・リチャード、バディ・ホリー等ですが、
コーラス・アレンジにおいて強く影響を受けたのはエバリー・ブラザースです。
彼等は日本での知名度は今一つといった印象ですが、
ビートルズはデビュー当時「フォー・エバリー」
(4人のエバリー・ブラザース)と呼ばれたほどです。
逆にビートルズから影響を受けたアーティストは数知れず!
更にビートルズ・ナンバーのカバーも、
多くのジャンルに渡り、極めて数多く存在しますが、
そんなビートルズ・カバー曲のとっておきのお薦めなども、
追ってご紹介して行きましょうね。