『フックン』登場!

突然、僕の前に現れた『フックン』さんによって暴かれた(?)エピソードが、
各方面で思いがけない大きな反響を呼んでます!!!
で、そのフックンが25年以上も前に開催したレコード・コンサート、
その時の曲目リストと、フックンのPOPSに対する
様々な想いを綴った冊子が今手元にあります。


僕が自分でPOPSに対する熱い想いを語るのは、
何だか身内を褒めるような、いやもっと端的に言えば、
自分の彼女を第三者に向かってベタベタ褒めまくるような(笑)
そんな気恥ずかしさが何となくあって、いつもクールに(?)構えてしまってますが、
今回フックンの極めて率直なPOPSについての熱い文章に触れて、
思わず「そう!そうだよねえ!!!」と言ってしまう部分が多々ありました。
そこでそのフックンの文章を、ご本人の了解を得た上で、
何度かに分けてここでご紹介したいと思います。
「勘違い、思い込みなどがありましたら訂正も合わせてお願いいたします。」
との事ですが、当時の想いをなるべくリアルにお伝えする為、
極力原文のままで行きたいと思います。では・・・



"Pops世代のうわ言”


今から10年前、あなたはどんな曲を聴いていましたか?
今から15年前、どんな曲が流行していたか御存知ですか?
そして20年前、若者にとっての音楽とはどんなものだったか、
考えたことがありますか?


我が西南ミュージック・ディスクは、この6月2日に創立20周年を迎えました。
一口に20年といっても、変化の激しい音楽界にとっては、
それはまさに一世紀ほどの変化に匹敵すると言っても過言ではないと思います。
その20年間に世に出た曲の数は、多分天文学的数字になるものと思われますが、
その中でヒットしたものと言えば、ほんのひと握りぐらいのものでしょう。
また今でも多くの人々の心に残る曲となると、これはもう
ごく僅かな数になってしまうことでしょう。
それは時の流れという大きな力の前では仕方のないことですし、
昔のヒット曲も今聴くと駄作に感じられる人がいたって、当然のことだと思います。


ただあの頃僕たちは目を輝かせて、そういったPopsを聴いていたのです。
ラジオのヒット・チャート番組を聴きあさり、深夜放送にドップリ浸り、
眠い目をこすりながら学校へ行き、授業中にこっそりお気に入りの曲への
リクエストカードを丹精こめて描いていたのです。
そしてレコード屋に通いつめ、あれこれ迷った末、これぞと思うシングル盤を、
少ない小遣いの中から、大枚400円也!を払って買い求め、
ちゃちなプレイヤーで何度も何度も聴きまくったものです。
・・・これはもう、どうしようもない真実なのです。・・・
そんな中で僕らは、全く読めない英語(あるいはフランス語など)の歌詞を
耳だけを頼りに意味不明のカタカナで口ずさみ、
何故か不思議な満足感に浸っていたのです。
この「不思議な満足感」は大学生になってしまった今では、
決して味わうことの出来ない感覚であると、僕は確信しています。
何かの機会にナツメロという形で、ミッシェル・ポルナレフやC.C.R.の曲を聴く時、
僕は確実に昔の僕に戻って、あのカタカナの歌詞を口ずさんでしまうのを
留めることが出来ません。
それもまたどうしようもない真実なのです。


あれから10年余の時が流れ、様々な変化を遂げた昨今の音楽界は
まさに混沌としているというのが実情です。
その中で自分にとっての音楽を見つけ出すのは、容易なことではないと思います。
ヘヴィ・メタル、パンク、オルタナティヴ、P−ファンク、AOR、フュージョン
etc、etc・・・・・
あたかもデパートのショーウィンドウのように様々な音が煌めいています。
ただそのいずれもが、かつてのPopsのような隆盛を極めることは
不可能だと思うのです。
なぜなら現在の音楽はその多くが、妙にかたくなな理想と
変に捻った思想を持ち続けているからです。
オールディーズ・ポップスは、いい意味での軽薄さと甘さを持っていたから、
様々な要素を取り込むことが出来たし、一時的な逃避の場をも提供していたのです。
当時人々は優しさや平安に飢えていた・・・。
だからPopsがあれだけ多くの人々の心を引きつけることが出来たのです。
全く世情の違う現在では、そういった音は
或いはもう誰からも求められていないのかも知れません。
しかしだからと言って昔からの音楽の流れは、否定出来ない歴史を刻んでいるのです。
Popsは確かなエポックを打ち立てているのです。
それが僕らの心に残っていて、何の不思議があるのでしょうか・・・。


何だかんだと独りよがりなことを書き連ねて来ましたが、
つまるところは、Pops世代の一人の男が、時期はずれのハシカにかかって、
うわ言を言ったようなものだと、笑ってやって下さい。


そんな訳で今日はあの頃愛されたHit Popsの数々を聴いていただく訳ですが、
何曲か聴いて行く内にきっとそれぞれの曲に繋がった淡い想い出が
あなたの胸に甦って来るものと信じています。
そして御存知の曲があれば、口ずさんでみて下さい。
思わず涙が出て来ても、それを隠すことはありません。
それこそが真の感動なのだから・・・。


               フックン(84期 ポピュラー・サークル)



*レコード・コンサートの曲目リスト


パートⅠ(1969〜71)


 1 ワイルドでいこう/ステッペンウルフ
 2 ふたりのシーズン/ゾンビーズ
 3 西暦2525年/ゼーガーとエバンズ
 4 輝く星座(アクエリアス)/フィフス・ディメンション
 5 しあわせの朝/クリフ・リチャード
 6 トレイン/1910フルーツガム・カンパニー
 7 ヴィーナス/ショッキング・ブルー
 8 トレイシー/カフ・リンクス
 9 明日に架ける橋/サイモンとガーファンクル
10 長い夜/シカゴ
11 イッツ・トゥ・レイト/キャロル・キング
12 男の世界/ジェリー・ウォレス
13 魔 法/ルー・クリスティ
14 霧の中の二人/マッシュ・マッカーン
15 雨を見たかい/クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル
16 ローズ・ガーデンリン・アンダーソン
17 サインはピース/オーシャン
18 嘆きのインディアン/マーク・リンゼイとレイダース
19 メロディ・フェア/ビー・ジーズ
20 涙のハプニング/エジソンライトハウス
21 恋のかけひき/ハミルトン、ジョー・フランク&レイノルズ
22 喜びの世界/スリー・ドッグ・ナイト
23 黒い炎/チェイス
24 シェリーに口づけ/ミッシェル・ポルナレフ
25 イフ/ブレッド
26 恋は二人のハーモニー/グラス・ルーツ
27 イエス・イッツ・ミー/エルトン・ジョン
28 スーパースター/カーペンターズ
29 マミー・ブルー/ポップ・トップス
30 気になる女の子/メッセンジャー


パートⅡ(ビートルズ、ソロ)


31 カム・トゥゲザー/ビートルズ
32 イマジン/ジョン・レノン
33 アナザー・デイ/ポール・マッカートニー
34 マイ・スウィート・ロード/ジョージ・ハリスン
35 明日への願い/リンゴ・スター
36 バンド・オン・ザ・ラン/ポール・マッカートニー&ウイングス
37 マインド・ゲームス/ジョン・レノン
38 レット・イット・ビー/ビートルズ


パートⅢ(1972〜74)


39 木枯しの少女/ビョルンとベニー
40 オールド・ファッションド・ラヴ・ソング/スリー・ドッグ・ナイト
41 デイ・アフター・デイ/バッドフィンガー
42 ウィザウト・ユー/ニルソン
43 愛するハーモニー/ニュー・シーカーズ
44 アメリカン・パイ/ドン・マクリーン
45 母と子の絆/ポール・サイモン
46 名前のない馬/アメリ
47 恋の玉手箱/チッコリー
48 サムデイ・ネバー・カムズ
    /クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル
49 メタル・グウルー/T・レックス
50 涙の滑走路/グラス・ルーツ
51 アローン・アゲイン/ギルバート・オサリヴァン
52 ベンのテーマ/マイケル・ジャクソン
53 灰色の朝/ブレッド
54 ゴー・オール・ザ・ウェイ/ラズベリー
55 カリフォルニアの青い空/アルバートハモンド
56 うつろな愛/カーリー・サイモン
57 イエスタディ・ワンス・モア/カーペンターズ
58 やさしく歌って/ロバータ・フラック
59 アメリカン・バンド/グランド・ファンク・レイルロード
60 愛の伝説/ミッシェル・ポルナレフ
61 恋のフィーリング/カプリコーン
62 友に捧げる讃歌/アート・ガーファンクル
63 冬の散歩道/サイモンとガーファンクル
64 落葉のコンチェルト/アルバートハモンド
65 僕の瞳に小さな太陽/エルトン・ジョン
66 ユー・アー・エブリシング/ダイアナ・ロスマービン・ゲイ
67 アイ・ショット・ザ・シェリフ/エリック・クラプトン
68 恋のハートビート/デ・フランコ・ファミリー
69 荒野のならず者/スリー・ディグリーズ
70 放課後のロックン・ロール・パーティー/ロギンス&メッシーナ
おまけ ビター・スウィート・サンバ/ハーブ・アルパートとティファナ・ブラス


*惜しくも選曲から洩れた曲


 サイモン・セッズ/1910フルーツガム・カンパニー
 悲しき天使/メリー・ホプキン
 ノックは3回/ドーン
 恋のほのお/エジソンライトハウス
 シーズン/アース&ファイアー
 ミスター・マンディ/オリジナル・キャスト
 イエロー・リバー/クリスティー
 悲しみの兵士/シルヴィ・バルタン
 そよ風の二人/バター・スコッチ
 悲しき初恋/パートリッジ・ファミリー
 ハロー・リバプールカプリコーン
 恋のヘルプ/トニー・ロナルド
 シーモンの涙/イングランド・ダンとジョン・フォード
 秋はひとりぼっち/ヴィグラスとオズボーン
 メアリーの小羊/ポール・マッカートニー&ウイングス
 マイ・ラヴ/ポール・マッカートニー&ウイングス
 ハッピー・トゥゲザー/タートルズ
 僕の歌は君の歌/エルトン・ジョン
 ロケット・マン/エルトン・ジョン
 明日の風/バッドフィンガー
 裏切者のテーマ/オー・ジェイズ
 スーパーバード/ニール・セダカ
 スターマン/デヴィッド・ボウイ
 シカゴ/グラハム・ナッシュ
 シング/カーペンターズ
 愛のわかれ道/ブレッド
 アメリカ/サイモンとガーファンクル
 ABC/ジャクソン・ファイブ
 ギヴ・ミー・ラヴ/ジョージ・ハリスン
 ブラック・アンド・ホワイト/スリー・ドッグ・ナイト
 ショウ・マスト・ゴー・オン/スリー・ドッグ・ナイト
 サークル・ゲームバフィー・セントメリー
 愛の休日/ミッシェル・ポルナレフ
 忘れじのグローリア/ミッシェル・ポルナレフ
 片想いと僕/ロボ
 シュガー・ミー/リンジー・ディ・ポール
 チャッキー・ワゴン/ルー・クリスティ
 マンデー・マンデー/ママス&パパス
 タイト・ロープ/レオン・ラッセル・・・・・


まだまだあるけどとても書ききれない。
愛しきPopsたちよ、また逢う日まで・・・(1984年6月7日 フックン)